サンザシの生薬学的研究(1) : Crataegus属植物のflavonoid含量について
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概要
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生薬「サンザシ」は日本ではCrataegus cuneata SIEB. et ZUCC.(サンザシ)またはC. pinnatifida BUNGE. var. major N. E. BROWN(オオミサンザシ)の果実(偽果)をそのまま,または横切したものとされている.中国では「山〓」と言われ,山里紅C. pinnatifida BUNGE. var. major N. E. BROWN(オオミサンザシ),野山〓C. cuneata SIEB . et ZUCC. (サンザシ)を基原植物としているが他に数種の同属植物が一部の地方で用いられている.「サンザシ」は助消化剤として用いられるほか血管拡張作用や抗菌作用,アルコール代謝促進作用があるとされる.ヨーロッパでは古くからCrataegus属の葉や花,果実(偽果)が高血圧や心不全の治療に用いられ,近年,これらのアルコール抽出エキスに含まれるフラボノイドが循環系に作用し,心不全に効果があることが明らかにされ.Crataegus属植物は種類が多く,北半球の温帯地方に広く分布し800〜90 種あるとされる.とくに北米に多いと言われるが,雑種も多く数は確定しておらず,実際にあるのは150〜200種であろうと言われている.ヨーロッパで Crataegus属植物は広く観賞用に栽培され,イギリスではhawthornと呼ばれ親しまれている.C. oxyacantha L.(セイヨウサンザシ), C. monogyna JACQ.の2種が多く栽培されているが,雑種もでき中間型も多く,日本ではこれらを総称して"セイヨウサンザシ"と呼ぶことが多い.日本に自生するのは3種でC.jozana C.K. SCHNEID. (エゾサンザシ), C. maximowiczii C.K. SCHNEID. (アラゲアカサンザシ), C. chlorosarca MAXIM. (クロミサンザシ)が北海道と長野県の一部に見られるだけである.入手したCrataegus属8種の葉に含有される5種のフラボノイドを指標として各種間の相違について検討した.さらに市場品「サンザシ」,「セイヨウサンザシ」の葉,花,果実(偽果)およびこれらのエキスを含有する製剤についてもフラボノイドの定量を行った.
- 日本生薬学会の論文
- 1993-06-20
著者
-
川村 智子
名城大学薬学部
-
奥田 和代
名城大学薬学部
-
久田 陽一
名城大学薬学部
-
野呂 征男
名城大学薬学部
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田中 俊弘
岐阜薬科大学
-
田中 俊弘
アスゲン製薬
-
西部 三省
北海道医療大学薬学部
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西部 三省
東日本学園大学薬学部
-
西部 三省
Univ. Hokkaido Hokkaido Jpn
-
西部 三省
北海道医療大 薬
-
西部 三省
Faculty Of Pharmaceutical Sciences Health Sciences University Of Hokkaido
-
朱 有昌
黒竜江省自然資源研究所
-
朱 有昌
黒龍江省自然資源研究所
-
高田 敦士
株式会社東洋発酵
-
川村 智子
名城大薬
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