レンギョウ属の葉のphenylethanoid配糖体について
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概要
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Forsythia属の果実,葉および茎の比較解剖についてすでに報告し,前報では果実に含有されるphenylethanoid配糖体4成分の定量を行い,種により成分組成の違いが大きいことを報告した.phenylethanoid配糖体には抗菌作用,c-AMP PDE阻害活性や血圧降下作用等が認められている.Forsythia属の根や茎葉も薬用とされ,葉のフェノール性成分については種による相違が報告されている.Forsythia属8種の葉に含有されるphenylethanoid配糖体びforsythiaside, suspensaside, acteoside, β-hydroxyacteoside(以下, FOR, SUS, ACT, β-hydroxyACTと略す)の定量を行い,次のようにFORをおもに含有する種とACTをおもに含有する種に2大別できた.F. susoensa, F. europaea, F. koreana, F. intermediaはおもにFORを含有し, F. viridissima, F. japonica, F. ovata, F. giraldianaではおもにACTを含有していた.また,後者ではFORとSUSが検出されず,これは前報の果実における種間の相違と共通していた.FORをおもに含有する種では種間の相違は大きいが,同一種の葉と果実には同じphenylethanoid配糖体が含有されることが多い.F. europaeaやF. intermediaは栽培品種も多く,成分組成にばらつきが見られる.定量を行った4種のphenylethanoid配糖体については薬理活性に明らかな差が認められており,Forsythia属植物を用いる場合は基原植物やその含有成分について十分考慮する必要がある.
- 日本生薬学会の論文
- 1992-09-20
著者
-
川村 智子
名城大学薬学部
-
奥田 和代
名城大学薬学部
-
久田 陽一
名城大学薬学部
-
野呂 征男
名城大学薬学部
-
田中 俊弘
岐阜薬科大学
-
西部 三省
北海道医療大学薬学部
-
西部 三省
東日本学園大学薬学部
-
西部 三省
Univ. Hokkaido Hokkaido Jpn
-
西部 三省
北海道医療大 薬
-
西部 三省
Faculty Of Pharmaceutical Sciences Health Sciences University Of Hokkaido
-
川村 智子
名城大薬
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