低フレームレート映像のための歩行周期に基づく位相同期による歩容認証(人物画像処理・認識,<特集>画像の認識・理解論文)

概要

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近年,広域監視や犯罪捜査等を目的として人の歩き方の個性に基づく個人認証である歩容認証が注目を集めている.一般的に,防犯カメラによる映像は通信帯域幅や記録装置の容量の制限から,低時空間解像度で撮影されていることが多く,標準的な時間解像度を想定した従来の歩容認証手法を適用することは困難である.本研究では,固有空間における歩容シルエットを特徴として,それを時間伸縮と時間シフトによって位相同期させて照合する手法を提案する.まず,フレームレートに応じて決まる歩行周期の検出精度に基づいて,時間伸縮係数の探索範囲を設定する.また,周期ごとの特徴間距離を最小値で統合することで周期間の歩容揺らぎを外れ値として除去できる周期単位の照合手法と,低フレームレート映像に対しても周期間の位相の連続性により位相の誤対応を低減できるシーケンス単位の照合手法を,辞書データと入力データのフレームレートを考慮して組み合わせる.実験では,時空間の両方の解像度に関する認証実験を行い,提案手法と従来手法の性能評価を行った.
2011-08-01