深発地震の震源分布と階層構造 : 日本列島およびその周辺地域を例にして(<特集>島弧の深部構造-地質・地震・地震波トモグラフィによる解析(I))
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
筆者らは,気象庁2006年刊行の地震年報の中で,解析方法が新しくなった1983年から2005年までの資料をもとに日本列島付近の震源がどのように分布するかを改めて検討した.そして,震源の空間的な分布を明らかにするために,地震の分布する空間の下底の等深線を描いた.その中で,直線状あるいは弧状に走る等深線が直交ないし斜交する方向の不連続線によって切られた,数10kmから数100kmの拡がりをもついくつもの単元を識別できることを指摘した.Wadati-Benioff面とよばれるものの実態は,地塊構造を暗示させる垂直に近い面によって境された,いくつものより小さな単元にわかれることをあきらかにし,島弧深部構造研究グループ(2009)として公表した.この成果の上に立って,本論文では,地震単元を階層構造という視点で整理した.震源分布をもとに,等深度線を作成し整理すると,大小いくつかの地震単元に区分することができる.地震単元は,地震区,地震亜区,地震域,地震胞という大きな単元から小さな単元に区分することができ,階層構造をもっているといえる.複数の地震胞が集合して地震域を構成し,また,いくつかの地震域が集合して地震区や地震亜区を構成している.
- 2009-07-25
著者
-
足立 久男
都立練馬高等学校
-
赤松 陽
元都立立川高等学校
-
鈴木 尉元
島弧深部構造研究グループ
-
鈴木 尉元
千葉支部
-
足立 久男
地学団体研究会東京支部:都立練馬高校
-
赤松 陽
地学団体研究会東京支部:都立立川高校
-
赤松 陽
島弧深部構造研究グループ
-
足立 久男
都立練馬高校
-
赤松 陽
柴田松太郎さんに学ぶ会世話人会
関連論文
- みんなで楽しくファミリー地学ハイキング 世代を越えて,ともに学ぶ(三位一体の科学運動)
- 三宅島のひょうたん山にみられる火山弾原(フォト)
- 地震に伴う断層の環状分布について(その1) : 本州東北部から中央部に至る地域(島弧の深部構造-地質・地震・地震波トモグラフィによる解析(I))
- 生徒とともにさぐるイチョウの葉の原始的な形態
- 日本列島とその周辺地域の深発地震の震源分布 : 和達・ベニオフ面の検討
- 秩父堆積盆地における新第三系下部層のフィッショントラック年代
- 地震地質学に関する試論
- 武蔵野台地・多摩丘陵・下末吉台地の更新世後期から現在に至る地殻変動(関東構造盆地の地質)
- 深発地震の震源分布と階層構造 : 日本列島およびその周辺地域を例にして(島弧の深部構造-地質・地震・地震波トモグラフィによる解析(I))
- 中越地震発生の地質学的背景(新潟県中越地震の被害と地質)
- 「生きてる化石イチョウ」を課題研究(高校地学)のテーマとしてとりあげて
- 三宅島のひょうたん山にみられる火山弾原
- 神奈川県登戸付近の多摩川河床に露出する飯室層(下部更新統)から発見された噴砂痕について
- 千葉県銚子付近の下部白亜系,君ケ浜層産のGyrolithes chosiensis n.sp.について
- 丹沢山地のグリーンタフに関する研究(その1) : 北部地域の層序と構造
- 今村明恒の地震学(地学者列伝)
- 和達清夫の地震学と地盤沈下研究への貢献(地学者列伝)
- 褶曲から深発地震までの研究の遍歴(後)
- 褶曲から深発地震までの研究の遍歴(前)
- 丹沢山地のグリーンタフに関する研究(その3) : 南西部地域の層序と構造
- 井尻正二会員との勉強会で学んだこと : その3:私たちが学んだこと(今後を展望して)(自然に学ぶ地学教育の新たな発展をめざして)
- 井尻正二会員との勉強会で学んだこと : その2:地団研の現状分析
- 井尻正二会員との勉強会で学んだこと : その1:今の世の中をどうみるか(地質学と自然保護)
- 関東山地東縁における鮮新-洪積世の堆積盆地の発生について : 構造地質
- 谷川連峰周辺の地質(概報)
- 大谷寿雄の構造地質学(地学者列伝)
- 団体研究の魅力(藤田至則さんと団体研究)
- 埼玉県王冠地域における後期中新世の火山性陥没盆地
- "ハンマー,またハンマーで" : 団体研究法の有効性について考える(開発・災害と地学2)
- 100 甲府盆地の北方に分布する後期中新世の火砕岩層
- 東京都五日市町の鳥巣層群とされてきた地層中よりNeoschwagerina sp.の発見
- アンデスのグリーンタフ(フォト)
- アンデスのグリーンタフ
- 田山利三郎の南洋群島の研究(地学者列伝)
- なぜ貝の化石が山頂に?地球に歴史を与えた男ニコラウス・ステノ, アラン・カトラー著, 鈴木豊雄訳, 2005年8月, 清流出版, 254p, 頒価2100円(本体2000円)
- 本多弘吉の発震機構の研究(地学者列伝)
- 「大地の記憶 富山の自然史」, 藤井昭二著, 桂書房 (電話076-434-4600) 197p., 2000年2月, 2000円+税
- 盛会裡に終わったつくばシンポジウム(地球科学の窓)
- 地球科学の窓 EARTH SCIENCE TODAY
- 「石油の謎をさぐる六億年間の自然の恵み」, 樋口雄著, 1998年5月刊行, 日本国書刊行会発行, 近代文芸杜発売, B6版, 179p. 1500円.
- 下総台地の地質と古環境, 地団研専報No.45.「下総台地の地質と古環境」編集委員会編, 222頁, 1996年4月
- Volcanic belts and volcano-tectonic structures of the East Asia(東アジア火山構造地質図), Scale 1:3,000,000, A. B. Ig'natyev, N. Murakami, Chen Guoda et al., 1992年, ロシア国極東鉱物資源研究所・東アジア火山構造図編集, 日本委員会出版, 15,000円
- 牛来正夫著, 大陸地殻進化論序説, 1990年12月刊行, 3600円, B5版, 221p., 共立出版
- 中国の地質構造とその発達史, 黄汲清監修 任紀舜・姜春発・張正坤・秦徳余著 藤田至則監訳 龍学明訳, 1986年1月刊, 139p., 8,000円, 築地書館
- 東海大学海洋学部第一鹿島海山調査団編:第一鹿島海山, B5判, 156頁, 1985年1月, 東海大学出版会, 定価3,000円
- 魚沼丘陵団体研究グループ編, 魚沼層群, B5版, 186頁, 1983年7月, 地学団体研究会専報26号, 会員頒価2,800円(非会員3,000円)
- 丹沢山塊北東部の地質構造
- ベローソフ著, 「構造地質学原論」, 藤田至則監訳, 岸本文男・青木斌・金光不二夫訳, 368p, 4,000円, 共立出版
- 334 活褶曲研究の歴史と課題
- 関東構造盆地における五日市-多摩川帯(関東構造盆地の地質)
- 五日市-多摩川帯について
- 関東平野西縁の谷地川断層について
- 山形県吉野地域における中期中新世の陥没構造
- 山形吉野地域のグリーン・タフ:とくに西黒沢期の不整合問題について
- 「校舎のコンクリート診断」を課題研究(高校地学)のテーマにとりあげて
- 構造地質学の基礎, 小室 裕明 著, 地学双書33, A5判, 215p., 会員頒布 1800円(本の紹介)
- 「ガラス繊維問題」を課題研究(高校地学)のテーマにとりあげて
- 北アルプスの燕岳幕営地で落雷に遭遇して(市民と共にとりくむ開発・災害問題)
- 31 五日市-多摩川帯と谷地川断層(地域地質)
- 51. フォッサマグナにおける火山性陥没体(後期中新世)の雁行配列
- アスベストの代替品として使用されているガラス繊維・ロックウールとその発癌性問題(環境と地学III)
- 建築物に使用される耐火材の影響による屋外プールの汚染について(環境と地学II)
- 59. 五日市-多摩川帯について
- クラブ活動で取り組んだ「イチョウの研究」(環境と地学)
- 『自然にチャレンジ』 : 本づくりの中から学ぶ(第3章 市民とともに,自然に学ぶ地学教育,記念特集号)
- 伊豆大島・三原山の噴火(最近の話題をめぐって)
- 我々のめざす地学教育 : 理科Iでは子供の正しい自然観は育たない(新学習指導要領・理科Iの問題点)
- "幻の海岸線"を復元する(まず実践-露頭のない地域の地学教育-)
- 火山と氷河の国「アイスランド」を訪ねて
- 丹沢山地南部結晶片岩地域の地質構造 : (1)層序と構造 : 構造地質
- 秩父盆地北東部に分布する中新統最下部層のジルコンフィッション・トラック年代
- 丹沢山地北部の層序 : 第三紀
- 山梨県猿橋付近のグリーンタフ
- 柴田松太郎さんに学ぶ
- 地震に伴う断層の環状配列について(その2)本州東北部(東北日本の島弧地殻構造と地質構造発達史)
- 東北日本のいわゆる二重深発地震帯の3次元構造(東北日本の島弧地殻構造と地質構造発達史)
- O-117 フォッサマグナにおける後期新生代の構造・火成作用と地殻の熱構造(10. 地域地質・地域層序,口頭発表,一般講演)
- 日本列島の環状構造とその地質構造発達史との密接な関係
- 東北日本のいわゆる二重深発地震帯の3次元構造
- 地震に伴う断層の環状配列について(その2)本州東北部
- 地震構造論の視点から見た日本列島における最近の地震活動
- 埼玉県王冠地域における後期中新世の火山性陥没盆地
- オーストラリア大陸の南北横断