武蔵野台地・多摩丘陵・下末吉台地の更新世後期から現在に至る地殻変動(<特集>関東構造盆地の地質)
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概要
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関東平野南西部の武蔵野台地,多摩丘陵,下末吉台地などからなる台地-丘陵地域は,更新世後期の段丘と堆積物の模式地とされてきた地域で,段丘形成以後は,もっぱら海水面変動によって地形形成が行われてきたと考えられてきた.しかし近年の地質調査結果によると,この台地-丘陵地域は地塊状の構造単元から構成され,段丘の境界が直線状に境されているのは,地塊の沈降にともなう新しい段丘の形成が,その境界での撓曲構造の形成によるものであることが明らかにされている.また多摩丘陵西部では,御殿峠礫層・多摩ローム層が地溝状地域に厚く堆積している.さらに多摩丘陵南部から下末吉台地では,東新世後期の相模層群が,地塊の運動にともなって地層の厚さを変化させながら堆積し,最終的に隆起して現在に至る過程が復元される.東京湾北西部にそう水準点の改測結果で,Imamura(1931)によって指摘されている測地学的地塊運動は,基盤の地塊運動の結果が反映したものであることを指摘した.
- 2006-01-25
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