竹林の撲滅試験(第2報)
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概要
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§1 1955年7月末に新竹の発生状況を測定した結果,次のことが明らかとなつた.A 1953年秋季実施分1953年秋季にKC10_3・CuS0_4・NaCl・HgCl等を竹の切株に注入した場合の1955年夏季の状況は第1〜3表の通りで,昨年の結果と比較すると新竹の発生本数(f_<55>)・平均根元直径(D^^-_<55>)・平均稈長(H^^-_<55>)の三者共ことに(f_<55>)において小さな値を示している.B 1954年夏季実施分1 1954年夏季にKCl0_3{(a)・(b)}やMobil(c_1)を竹の切株に注入した場合の1955年夏季の状況は第4表(a)(b)(c_1,c_2)の通りで,KClO_3やMobilを注入したplotと立竹を伐倒放置したplotとを本年発生した新竹本数を例にとつて比較してみると(a及びb)/c_2=4/10,C_1/C_2=6/10の比率となりKClO_3は勿論のこと,Mobilも所期の目的を達成する上にある程度有効であることが認められた.而もKCl0_3を竹の切株に注入する場合,例えば本試験地のような林相の林分でならば秋季実施の際には100m^2当り500g位の注入が必要とされたのに対して,夏季実施の際には300g(〜450g)位の注入で充分所期の目的が達成されるであろうことが明らかとなった.2.1954年夏季にKCl0_3を立竹の葉面に撒布した場合の1955年夏季の状況は第8表の通りで,KClO_3を立竹の切株に注入した場合の効果とほぼ同じ結果をえんがためには本試験地のような林相の林分でならば所要草剤量において前者は後者の約2倍〜3倍量(300g〜450gに対して1000gと)多く要することが明らかとなつた.§II試験跡地に植栽したスギ苗の活着率ならびに1ヶ年間の上長成長量(第9表)A活着率総平均において95%の活着率を示すが,1953年秋季に薬液を注入した区域-Mix区を除く-ならびに1954年夏季に実施したもののうちのcontrol区においては96%の活着率を,また1954年夏季に実施したものにおいては94%の活着率を示している.活着率においては(試験)実施の翌年植栽でも翌々年植栽でも余り差はないようである.B1ヶ年間の(平均)上長成長量総平均値においては8.3cmの1ヶ年間上長成長量を示すが,1953年秋季実施分(A)においては9.6cm,1954年夏季実施分(B)-control区を除く-においては6.6cmと約3cmの較差が生じている.また(A)において最高値を示すKClO_3注入区(実施の翌々年に植栽したもの)のそれは10.7cmであるのに,これと対応するところの(B)のKClO_3注入区(実施の翌年に植栽したもの)のそれは6.4cm,KClO_3噴霧区(実施の翌年に植栽したもの)のそれは5.8cmを示すにすぎず,これより実施の翌年に植栽する場合と翌々年に植栽する場合とて植栽後1ヶ年間の上長成長量において4.3cm〜4.9cmの較差が生じていることが認められた.
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