アメリカ合衆国における個別教育計画(IEP)に基づく障害児の援助モデル : 学校心理学の枠組みから

概要

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本研究の目的は、アメリカ合衆国における学校心理学に基づく援助サービスを検討し、我が国の将来的な特殊教育サービスモデルについて考察することである。USAの特殊教育サービスの特徴は、スクールサイコロジストという学校心理学に基づく専門職を中心とした、チームによる援助である。普通教育において学習面や心理・社会面の問題を持つ児童生徒を援助するために、スクールサイコロジストを中心としたSST(Student Support Team)チームが組織され、教育サービスの内容、時期、援助者等が検討される。さらに特殊教育サービスが必要であると判断されるとIEP(Individualized Education Plan)チームが組織され、IEPが作成される。このような心理教育的援助サービスの一連のシステムは、教育の公開性、保護者を含む複数の専門家による連携といった点で、今後の我が国の学校教育のあり方に示唆を与えるものである。また、そのためのシステムの整備、教員の心理教育的援助サービスの専門性の充実、スクールサイコロジストの養成など、今後の研究とシステムの整備の必要性が示された。
日本特殊教育学会の論文
1999-09-30