自閉症生徒の買物指導と日常生活における般化および維持に関する検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
自閉症生徒1名を対象に買物指導を行い、日常生活におけるスキルの般化と維持に関して検討を行った。シミュレーション訓練により、対象生徒は買物に必要な行動レパートリーを獲得することができたが、現実の店舗では、行動連鎖中、部分的に誤反応が生じることがあった。しかし、ほとんどの誤反応は支払い時に生じたため、レジの店員の援助によって買物を遂行することが可能であった。また、日常生活においては、母親が対象生徒に買物をさせる機会を積極的に提供することで、買物行動が維持されていることが明らかになった。本研究の結果、対象生徒の買物スキルが日常生活で般化・維持した背景には、店員や母親などの対象生徒をとりまく人々からの援助といった環境要因が影響を与えていたことが示唆された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1995-11-30
著者
-
小林 重雄
筑波大学心身障害学系
-
井上 雅彦
兵庫教育大学
-
小林 重雄
筑波大学心身障害学系:(現)吉備国際大学社会福祉学部
-
菅野 千晶
筑波大学教育研究科
-
菅野 千晶
牛久市役所福祉部社会福祉課
-
羽鳥 裕子
福島県立大笹生養護学校
関連論文
- 精神遅滞児のCOMPONENT移行学習における刺激の選択性に関する分析
- 自閉症児・者の就労に関する研究 : 自閉症児・者の職業能力評価
- こだわり活動を利用した一自閉症青年の行動障害の改善 : 機能アセスメントに基づく代替行動の形成(実践研究特集号)
- 登校拒否の行動分析的アプローチ : その原因と具体的対策
- 思春期自閉症者の質問スキルの般化に関する研究 : 環境随伴性操作による家庭場面への応用
- 自閉症児における自己決定の援助技術の検討
- 自閉症生徒における代表例教授法(General Case Instruction)を用いた料理指導 : 品目間般化の検討
- 自閉症児における刺激性制御シェイピングによる見本合わせの形成
- 選択・指定の自己決定が作業遂行に及ぼす効果について : 予備的研究
- 選択行動の生起に及ぼす活動報告の効果