マルチプルプローブデザインを用いた福祉作業所利用者に対する指導の効果(実践研究特集号)

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概要

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福祉作業所に通所する3名の成人の障害者を対象に、マルチプルプローブデザインを用いて、作業量を増大させるための指導を行った。また、対象者の中の自閉性障害者の不適切行動も低減させるよう指導した。そして、形成された作業態度の般化と維持を測定した。3名の作業量の測定は割り箸の袋入れ作業で行った。指導として、仕上げた2束の割り箸を自ら検品場所まで運ぶ動作を、言語的賞賛で強化した。般化の測定はシール貼り作業で行った。この指導により、3名の割り箸作業量は着実に増大した。自閉性障害者の不適切行動のうち中断行動、ロッキングおよび机叩き行動は著しく減少した。しかし、割り箸の袋破き行動には十分な成果が得られなかった。この状態は1ヶ月後、2ヶ月後も維持された。般化の測定でも良好な結果を示した。結果から、正の強化の積極的な導入が対象者の作業態度を活性化するなど応用行動分析の有効性が検証された。
日本特殊教育学会の論文
2000-03-30

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