気温の年次変化の類型に対する放牧地の草量予測 : 西那須野の例
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概要
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放牧草地の生産を表すモデルの多くはシステムモデルで構成されている。しかしながら,一般にシステムモデルが含む変数が多いために,それぞれの変数に初期値を与えることさえ困難で,農家や農業団体がそれを利用して生産量を予測できる見通しは小さい。本研究では,その困難を克服するためロジスチック理論を用いたモデルを開発した。牧草生産量は気温などの気象変化に強く依存している。しかしながら,気温変化を長期予測すること自体大変難しいから,それに依存して牧草量を予測することもまた困難であるといわざるをえない。牧草生育期間における気温の季節変化を数個の類型に分けておくと,各年の牧草生産がどの類型のもとで進むかについてのあらましを予測することは可能であろう。本研究では,このような気温の季節変化の類型それぞれに対応した生長係数の季節変化を予め計算しておけば,ロジスチック・モデルで容易に牧草生産量の経時的な予測ができることを西那須野で得られた気温変化の類型をもとにして示した。
- 1990-07-31
著者
-
高橋 繁男
草地試験場
-
高橋 繁男
東北農業研究センター
-
小山 信明
近畿中国四国農業研究センター
-
築城 幹典
岩手大学
-
築城 幹典
草地試験場
-
高橋 繁男
東北農研セ
-
高橋 繁男
東北農業研究センター:(現)日本草地畜産種子協会九州試験地
-
小山 信明
九州農業試験場
-
小山 信明
(現)畜産草地研究所
-
塩見 正衞
農業環境技術研究所
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