タイリクヒメハナカメムシの成虫と卵の同時放飼法による定着促進効果
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概要
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タイリクヒメハナカメムシの標的作物上での定着を促進するため,本種の成虫と卵を同時に放飼する方法について検討した.まず,産卵植物としてニジノタマのシュートを用いることにより,卵を効率よく得て,卵のふ化率を低下させずに放飼することができた.ハチミツの原液はタイリクヒメハナカメムシの雌成虫に対する延命効果を持ち,スジコナマダラメイガの卵の代替餌として利用可能であることが明らかとなった.充分量のタイリクヒメハナカメムシの卵を得るためには,ニジノタマのシュートが雌成虫2頭に対して1本以上必要であることが示された.実際に,産卵基質としてニジノタマのシュートを,解としてハチミツの原液を与えながら3日間飼育することで,タイリクヒメハナカメムシの製品ボトル1本(成虫数250頭)から約1,100個の卵を得ることができた.タイリクビメハナカメムシの卵と成虫を同時に放飼したピーマン上では,成虫だけを数飼したピーマンよりも多くの次世代の幼虫が確認され,卵と成虫の同時数詞は本種の初期定着促進に有効であることが示唆された.
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 2007-02-25
著者
-
柿元 一樹
鹿畑かんセ
-
井上 栄明
鹿児島農総セ
-
柿元 一樹
鹿児島県曽於農業改良普及センター
-
井上 栄明
鹿児島県農業開発総合センター
-
山口 卓宏
独立行政法人中央農業総合研究センター
-
深町 三朗
アリスタライフサイエンス株式会社
-
島 克弥
株式会社デュポン
-
田口 義広
アリスタライフサイエンス株式会社
-
斎木 陽子
アリスタライフサイエンス株式会社
-
大野 和朗
宮崎大学農学部
-
山口 卓宏
鹿児島農試
-
大野 和朗
宮崎大農・応用昆虫
-
大野 和朗
宮崎大 農
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