茶の天狗巣病に関する研究 : I.発生の状況, 病徴およびその他の2,3の知見について
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概要
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1.鹿児島県肝付郡田代町に発生した, 天狗巣症状を呈する異状茶樹について, 観察と若干の試験を行なった.2.症状はつぎのようである.まず最初に芽が肥大, わい化, 黄化などの異状を示し, それから生じた新梢が肥大し, 徒長あるいはわい化して, やがてその基部にあたる節部に, えい瘤を生ずる.このえい瘤から多数の不定芽が生じ, それから伸長した新梢が叢生して, 天狗巣症状を呈するようになる.このようになったものの多くは数カ月ないし1〜2年で枯死することが多い.本症状の特徴は, 既存の組織が変化することはなく, かならず最初に芽に異状を呈することである.本症状は全身的でなく, 一部の枝条が異状を呈し, 他は健全な場合が多い.3.現地の発生状況から, 本症状は伝染性のものであると思われる.4.本症状は種子伝染, 接木伝染を行なわない.被害枝を切除すると, それから生ずる新梢は健全である.5.被害組織の汁液を, 健全樹に接種することによって, 本症状を発現せしめることができた.この結果から, 本症状は伝染性のものであること, および被害組織汁液中には, 本症状発現の要因が存在することが明らかとなった.6.本症状を"茶の天狗巣病"と名づけることを提案する.
- 鹿児島大学の論文
- 1970-03-25
著者
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