エンドウ連作圃場と非連作圃場における根圏微生物密度の比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
連作圃場と非連作圃場のエンドウ根圏の土壌微生物密度をしらべ, 連作障害の発生と微生物密度との関係を知ろうとした.まず6年間エンドウを連作した圃場と2年毎の輪作圃場について, 根圏および非根圏土壌からFusarium, 糸状菌, 細菌を分離するとともに, 両圃場でのエンドウの生育状態を観察した.その結果非根圏土壌においては両圃場の間に微生物密度の差は認められなかった.また根圏土壌においては生育の前半の時期には両圃場の間に差は認められなかったが, 開花期の調査では連作圃場のFusarium密度の増加がみられ収穫末期になるとその増加は非常に顕著であったが, 輪作圃場では各調査時期とも大きな変化はみられなかった.またエンドウの生育状態についてしらべたところ, 連作圃場では地上部, 地下部ともにその生育がわるく, 明らかに連作障害が認められたが, 輪作圃場では特別の生育異状は認められなかった.つぎにかなり長期間にわたって連作している土壌と, エンドウを栽培したことのない土壌について同様の実験を行った.その結果, 連作地の方が処女地よりもFusariumが多いことが認められた.エンドウの生育についても連作地では明らかに障害がみられたが, 処女地では健全であった.以上の結果から, 連作障害発生要因を強く有していると思われる土壌では, それが弱いと思われる土壌よりも, エンドウ根圏に存在するFusariumの密度が高いことがわかった.
- 鹿児島大学の論文
- 1971-09-25
著者
関連論文
- (16) エンドウの連作障害に関する土壌微生物学的研究 : II. 連作土壌に対する2・3の処理がその微生物密度に及ぼす影響 (九州部会講演要旨)
- (10) チャかいよう病ならびに赤焼病罹病組織の走査電顕観察 (九州部会講演要旨)
- (15) チャ赤焼病病原細菌のファージについて (九州部会講演要旨)
- (4) 薩摩半島南部に発生したチャの細菌性病害の病原について (昭和53年度地域部会講演要旨(九州部会))
- (3) 薩摩半島南部に発生したチヤの細菌性病害について : 発生状況ならびに病徴 (昭和53年度地域部会講演要旨(九州部会))
- (185) チャ・かいよう病の電顕観察 (昭和52年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (5) チャ・かいよう病(新称)の病原について (昭和51年度地域部会講演要旨(九州部会))
- (22) チャ輪紋葉枯病に関する研究 : 3.病原菌の形態と若干の性質について (九州部会講演要旨)
- (21) チャ輪紋葉枯病に関する研究 : 2.発病条件について (九州部会講演要旨)
- (20) チャ輪紋葉枯病(新病害)に関する研究 : 1.発生状況, 病徴および病原菌の分離について (九州部会講演要旨)
- (9) かいよう症状を呈するチヤの新病害について (九州部会講演要旨)
- (8) チャてんぐ巣病に関する研究 IV.病原細菌について (九州部会講演要旨)
- (21) サトウキビ黒穂病罹病茎の解剖学的観察 (III) (九州部会講演要旨)
- (3) サトウキビ黒穂病罹病組織の電顕観察 (九州部会講演要旨)
- (5) チャてんぐ巣病に関する研究 : 病原細菌の産生する生長促進物質について (昭和53年度地域部会講演要旨(九州部会))
- 走査電顕による数種うどんこ病菌の無蒸着観察
- (10) 走査電顕による数種うどんこ病菌の無蒸着観察 (昭和51年度地域部会講演要旨(九州部会))
- (7) カナリーヤシの立枯病 (新称) について (昭和50年度地域部会講演要旨(九州部会))
- 白絹病菌の菌核形成に及ぼす光の影響
- 茶の天狗巣病に関する研究 : II.罹病組織汁液による茶樹への各種の接種試験
- (4) チャのてんぐ巣病に関する研究 : II. 罹病組織汁液によるチャ樹への各種の接種試験 (九州部会講演要旨)
- 茶の天狗巣病に関する研究 : I.発生の状況, 病徴およびその他の2,3の知見について
- (3) チャの天狗巣病に関する研究(予報) (九州部会講演要旨)
- 連作土壌に栽培したエンドウの根の褐変について
- (15) チャ輪紋葉枯病に関する研究 : 4.病原菌の産生する有機酸について (九州部会講演要旨)
- (18) エンドウ連作障害の土壌微生物学的研究 : V. 連作土壌で育てたエンドウを非連作土壌に移植した場合およびその逆の場合の根の褐変の変化 (九州部会講演要旨)
- (8) チヤてんぐ巣病に関する研究 V : 罹病組織から分離される細菌の血清型について (九州部会講演要旨)
- エンドウ連作圃場と非連作圃場における根圏微生物密度の比較
- (15) エンドウの連作障害に関する土壌微生物学的研究 : 1. 連作圃場と非連作圃場における根圏微生物密度の比較 (九州部会講演要旨)
- (8) 白絹病菌によるイポメアマロンの不活性化について (昭和43年度地域部会講演要旨(九州部会))
- 2. Phytoalexin (A. 感染に関与する病原菌ならびに宿主の生産物質)
- 病原菌の宿主特異性とphytoalexinとの関係
- 寄生植物と病原菌との異なる組み合わせによって生成された数種のphytoalexinの紫外線吸収スペクトルの比較
- (88) Phytoalexinの特異性について (病害抵抗性(昭和38年度日本植物病理学会大会講演要旨))
- 水稲とイネ白葉枯病菌との相互反応によって生成される phytoalexin について
- エンドウと Ascochyta pisi との相互反応によって生成される phytoalexin について II. 胞子浮遊液の接種時間, エンドウ莢の ether および熱による前処理が phytoalexin の生成に及ぼす影響
- ダイズとFusarium sp.との相互反応によるPhytoalexinの生成について : II. Phytoalexin生成に影響を及ぼす寄生菌胞子浮遊液の状態
- エンドウとAscochyta pisiとの相互反応によつて生成されるPhytoalexinについて : I. Phytoalexin滲出液の活性に及ぼす紫外線の影響及びその2, 3の理化学的性質
- ダイズとFusarium sp.との相互反応によるPhytoalexinの生成について : I. Phytoalexinの生成に及ぼす寄主植物の条件の影響およびPhytoalexinの性質についての2, 3の実験
- 水稲と稲熱病菌との相互反応によるPhytoalexinの生成について
- 白絹病菌によるイポメアマロンの不活性化