白絹病菌の菌核形成に及ぼす光の影響
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概要
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1)本報告は白絹病菌の菌核形成に及ぼす光の影響についていくつかの実験を行なったものである.2)昼光色の螢光灯の光源として, 250Luxの光の下で白絹病菌を培養すると多数の菌核が形成されたが, 暗黒下においたものの菌核形成は僅少であった.3)450Luxから10Luxまでの強さの光を用いて白絹病菌の菌核形成をしらべたところ, 光が弱くなるにしたがって菌核形成数も減少し, 両者の間には密接な関連のあることが認められた.しかし10Luxの弱い光でも菌核の形成を促進することが示された.4)毎日特定の時間だけ光を照射し, 他の時間は暗黒に保ったところ, 1日の照射時間が短くなるほど菌核の形成が悪くなり, 1時間以下の照射では暗黒の場合と大差なく, 菌核の形成がほとんど見られなかった.5)白絹病菌の同一菌叢の一部を照射し, 一部を暗黒に保つと, 照射部分には多数の菌核が形成されたが, 暗黒部分ではごく僅かの菌核しか形成されなかった.6)色セロハン紙を用いて赤から紫まで5色の色の光を作り, 白絹病菌の菌核形成に及ぼす光の色の影響をしらべたところ, 各試験区間に顕著な差は認められなかった.
- 鹿児島大学の論文
- 1969-02-15
著者
-
有村 光生
Laboratory Of Plant Pathology
-
有村 光生
植物病理学研究室
-
植原 一雄
Laboratory of Plant Pathology
-
白石 義
鹿児島県立有明高等学校
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