白絹病菌によるイポメアマロンの不活性化
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概要
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1)本報告は, 白絹病菌Corticium rolfsii(Sacc.)Curziによる, イポメアマロンの不活性化に関するいくつかの実験を, とりまとめたものである.2)イポメアマロンを添加したバレイショ液体培地で, 白絹病菌を28℃, 6日間培養し, 培養終了後のろ液から, 残存するイポメアマロンをエチルエーテルで振出し, エールリッヒ反応によって, イポメアマロンを定量したところ, 培地中のイポメアマロンが顕著に減少していることが認められた.また菌体部分からは, イポメアマロンは検出されなかった.3)白絹病菌を用いて, bio-assayを行なったところ, エールリッヒ反応によって培地中のイポメアマロンの減少が認められた試験区では, その生物的活性も明らかに低下していることが分った.4)培地中のイポメアマロンが減少した試験区について, 薄層クロマトグラフィーを用いて実験を行なった結果, イポメアマロン特有のスポットが消失し, またイポメアマロンが変質をうけて生じたと思われるようなスポットも見られなかった.5)白絹病菌の菌体を-20℃で凍結し, よくすりつぶした磨砕物, および白絹病菌の培養ろ液にイポメアマロンを添加, 28℃で48時間おいたのち, エチルエーテルで振出し, エールリッヒ反応でイポメアマロンを定量したところ, その顕著な減少が認められた.6)0.1%の蓚酸水溶液中にイポメアマロンを加えて28℃で48時間おいたのち, 同様にしてイポメアマロンを定量した結果, 蓚酸水溶液は, イポメアマロンに影響を及ぼさないことが認められた.
- 鹿児島大学の論文
- 1969-02-15
著者
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