連作土壌に栽培したエンドウの根の褐変について
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概要
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1.エンドウの根, 特に生育初期の根の褐変がエンドウ連作土壌で特に顕著にみられるかどうかを調べ, 初期褐変と連作障害との関連を明らかにしようとした.2.土壌を入れた3×20cmの試験管でエンドウを育て, 根の褐変を継続的に観察した.その結果, 最初小さな褐点が生じ, 次第に下方に拡大することおよび連作土壌では強度の褐変が生ずるが, 非連作土壌ではわずかの褐変しか生じないことがわかった.また120℃, 1時間オートクレーブした連作土壊では根の褐変はみられなかった.3.連作障害をうけたエンドウの根から分離したFusarium solani f.sp pisiを接種した土壌に育てたエンドウにも激しい褐変がみられた.この褐変は連作土壌のそれと類似しており, 特に異なると思われる点は見い出すことができなかった.4.連作土壌および非連作土壌をつめた7.5cmビニールポットでエンドウを育て, 2週間後に非連作圃場および連作圃場に移植して, 根の褐変および根部と地上部の生育を調べた.その結果連作土壌に接した根では強い褐変がみられたが, 非連作土壌に接した根ではほとんど褐変がみられなかった.また連作土壌で育てたエンドウを非連作土壌に移植しても根部および地上部の生育に悪影響が残こり, 収穫期においてもその生育は健全なものに比べて非常にわるかった.5.以上の結果から, エンドウの根の褐変特に生育初期の根のそれは連作障害と密接な関連を有するものと考える.
- 1973-03-24
著者
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