チャかいよう病罹病葉組織の電子顕微鏡観察
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概要
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チャかいよう病細菌をチャ葉に付傷接種し, 発病した病斑部分を電顕観察し, 病変ならびに病原細菌の所在を検討した.接種後10〜14日で部分的に肥厚が認められ, いわゆる「いぼ状」の隆起を形成した.これは時間の経過とともに大きくなり, やがて頂端部が裂開, 陥没し, 典型的なかいよう症状となった.隆起部分を割断すると, 維管束状の比較的小さな細胞群を中心にやや肥大した細胞が増生していた.細菌は隆起部分の細胞間隙に認められた.すなわち, (1)宿主細胞の細胞壁に密着した状態, (2)領域の拡大した細胞壁内層で増殖した状態, (3)細胞壁内層でとじ込められたように変性している状態, (4)細胞間隙に浮遊している状態, などである.細菌の認められる部分では宿主細胞の変性が顕著で, 収縮, 壊死, 細胞壁の蛇行, 原形質分離などが複合して認められた.また, 細菌の変性が認められた部分では, 繊維状あるいは無構造の物質で充たされていた.これは宿主の防衛反応の結果とも推定された.以上の観察結果より, 本病は, ビワがんしゅ病, カンキツかいよう病と類似した部分的肥厚病と判断された.
- 鹿児島大学の論文
- 1985-03-15
著者
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