(19)日本におけるPassionfruit woodiness virus(PWV)の新分離株;PWV指宿株
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概要
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鹿児島大学指宿植物試験場で露地栽培しているムラサキトケイソウの実生個体に,果実の奇形は伴わず,葉にモザイクを呈する個体が散見された.この罹病葉磨砕破をインゲン'すじなし江戸川'の初生葉に接種したところ,壊死斑点と退緑斑点が混在して現れた.それぞれの性状を示す病斑において単病斑分離を3回繰り返し,それぞれ1分離株ずつを,全身感染宿主,インゲン'Rosinha'で増殖維持した.そして'Rosinha'の葉脈壊死葉を材料として,PWV-奄美大島株(AO),PWV-台湾株(TW),SbMV,WMV2のNIbコード領域に基く縮重プライマー,ならびにAGアンカーを付加したoligo dTを用いて,RT-PCRを行い,CPコード領域と3'末端非翻訳領域(NCR)に相当するcDNAを増幅し,塩基配列を調べた.その結果,これら2株の配列は,NCRにおいて2塩基が異なっていたが,CP領域は完全に一致した.また,推定されたCPのアミノ酸配列の,PWV-AOやTWとの相同性は83%であり,AO-TW間の相同性96%に比較して,かなり低かった.よって,今回の2分離株は,既報株とは,遺伝子的に異なるものと考えられる.今後は,これらを,暫定的にPWV-IB(指宿株)-111,-322と呼称する.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
-
中村 正幸
鹿児島大農
-
岩井 久
鹿児島大農
-
荒井 啓
鹿児島大学農学部
-
荒井 啓
鹿児島大農
-
荒井 啓
植物病理学研究室
-
荒井 啓:
鹿児島大農
-
山下 祥直
鹿児島大農
-
山下 祥直
(現)サンケイ化学
-
荒井 啓
鹿児島大 農
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