(1)Schizosaccharomyces pombeで発現させたGeotrichum candidum S31株出来S31PG1のレモン果皮分解能について
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概要
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これまでに,G.candidum citrus raceの分泌ポリガラクツロナーゼ(PG)が,本菌の引き起こすカソキツ白かび病に関与しているかどうかを明らかにするため,knock-out株の作出や非病原性株(non-citrus race)を用いたover-expressed株の作出を試みてきたが,本菌は,外来遺伝子の染色体挿入が極めて困難であることが分かった.そこで今回,G.candidum citrus race S31株より単離したS31pg1をpAN7-1を用い,非相同組換えによりS.pombeに染色体挿入しPGの分泌発現を試みた.その結果,形質転換体はPG活性を有し,その無菌培養液をレモン果皮片(直径1cm,厚さ5mm)に作用させると顕著な軟化と分解が認められた.また,硫安塩析により濃縮した粗酵素液をレモン果実に注入すると白かび病症状に特有の水浸状の症状が認められた.一方,非形質転換体ではPG活性は全く認められず,無菌培養液もレモン果皮を分解しなかった.以上のことから,G.candidum citrus race S31株の分泌するS31PG1は,カンキツ白かび病に極めて重要な病原性因子であることが明らかとなった.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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