種子島に発生したサトウキビ白葉病
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概要
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本実験は, 種子島で発生したサトウキビの白葉症状の原因を調べたものである.得られた結果を要約すると以下のとおりである.本病は1986年5月に始めて認められ, 翌年も発生が確認された.病徴は新葉全体が白色ないし白色の条を伴ういわゆるalbino症状である.ひどい場合はその後枯死するが, 気温の上昇とともに病徴が回復するものも認められる.発生は種子島のほぼ全域(6か所)におよび, 発生面積はそれぞれの地域で10〜20a程度である.病原について調べたところ, 罹病葉の超薄切片の電顕観察で師部に特異的にマイコプラズマ様粒子(MLO)が認められた.MLOの大きさは約80〜500nmで師管および師部柔細胞に局在していた.これらの粒子は健全植物組織には認められなかった.テトラサイクリン系抗生物質処理により病徴の回復した組織にはMLOの消失が認められた.また, 最近利用されている蛍光顕微鏡観察法によるMLO病の診断の結果, DAPI液染色で罹病植物の師部に特異的な蛍光部分が認められた.以上の結果より, 本病は台湾などで発生している「白葉病」と同定された.
- 鹿児島大学の論文
- 1989-03-15
著者
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