聾学校における通級による指導について : 担当教員配置初年度と3年目の調査結果の比較

概要

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聾学校における通級による指導は,2001年度から指導担当教員が順次配置され,実施校も増加している。また,通級による指導は今後の聾学校のセンター化機能の一部を担うものとも考えられる。そこで,担当教員配置初年度における通級による指導に関する調査結果(回収率73.7%)と3年目の結果(同68.7%)を比較検討し,この制度の現状と課題を分析した。その結果,聾学校における通級による指導は,4割以上の聾学校で実施され,校内での位置づけも明確になっている。2度の調査において実施校及び対象児童生徒の増加等の量的な拡充と,自立活動及び教科補充に関する指導内容や小・中学校支援等の質的な充実も認められた。しかし,指導時間の不足や在籍校との連携等に関する課題,対象児童生徒の負担軽減のために実施形態の工夫も必要であることも明らかになった。また,特別支援教育体制に向かって,通級による指導には「ニーズに応じた個別の支援」「居住地域での支援システム作り」等の役割が新たに求められると考えられた。
大阪教育大学の論文
2006-02-28