汎用グラフィクスハードウェアを用いた2次元/3次元剛体位置合わせの高速化(コンピュータグラフィックス)

概要

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画像の位置合わせとは,撮影方法・時刻の異なる画像の組に対し,画像中の被写体の位置を対応付ける技術である.この技術は手術支援の分野において重要である.しかし,計算量が多いためCPUを用いた実装では位置合わせに10数分を要し,時間制約の強い手術支援の用途に対してはさらなる高速化が必要である.一方,PC用グラフィクスカードが搭載するGPU(Graphics Processing Unit)は近年著しぐ性能が向上している.そこで本研究は,CPUを位置合わせに用いることでその実行時間の短縮を目指す.本稿では,2次元/3次元剛体位置合わせを構成する主要な3つの処理(3次元画像の投影像生成,近傍フィルタ,集約演算)をGPU上に実装し,その性能を測定することでGPUを用いた位置合わせの有用性を検証する.評価実験の結果,CPUを用いる手法により10秒程度の実行時間で位置合わせを行えた.PCクラスタを用いた実装との処理時間の比較においても,優位性を確認した.また,位置合わせ精度に関して,位置合わせ前の正解に対するずれが10mm程度であるとき,ほぼすべての場合で正解に近い解を得た.
一般社団法人情報処理学会の論文
2006-10-15