浸透粒剤の効果と作物の栽植密度(第2報)
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概要
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前報で述べたように,ジメトエート粒剤(5%)の地中施用においては,1株当りの有効成分量は同じでも作物の栽植密度によって効果(薬害)が相違する現象が見られ,これは主として粒剤と根との接触程度によって支配されるものと推察される.この問題をさらに明確にするため,ジメトエート乳剤をしみこませた木綿糸小片(以下薬剤糸と呼ぶ)を用い,オオムギ薬害を指標として追加実験を行なった.薬剤糸の成分量に応じて施用本数を変え,またそれの配置位置も3種類とした.すなわち,1株当りの有効成分量を一定(0.005g)としながら,根と薬剤糸との接触機会が異なる諸区(第1表,計12区)を設け,オオムギの薬害発現状況を比較したのであるが,根と薬剤糸との接触が多いと考えられる条件下のものほど薬害が顕著であった(第2表,第1図).この実験によって,前報で推論したことを,一そう明瞭に指示することができた.次にダイシストンについては,上と同じくオオムギ薬害反応を指標とする方法が適応され得ることを明らかにした.また,この方法を用いてこの実験の一部を示した.ダイシストン粒剤(5%)に関する詳細な議論は控えるが,諸汎の資料から見て,本剤においても根と粒剤との接触如何,ひいては作物の栽植密度の高底は効果ないし作用ルートを考える上で,軽視できないであろうことを推論した.
- 千葉大学の論文
- 1969-12-31
著者
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