農害虫多發区に關する氣象學的考察
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概要
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害虫の発生量ないし被害程度に関する地理的区分が,気象要素によって想定し得るか否かを,ニカメイガ・サンカメイガ・ウンカ類・イネドロオイムシについて検討した。まず農林省の統計資料その他によって,これら害虫の多発地の分布実態を調査し,またそれらの地方が如何なる気象要素について相似的であるかを究明した。その結果,多発地の環境指標として最も適当と思われる気象条件が各種について選出されたが,それらは何れも気温条件を中軸とするものであつた(ニカメイガのみは降水量も加味された)。これらの条件に当てはまる地域が,多発地として期待されるものと仮定するならば,これら気象条件の配置から推して,各種について推定多発地を指示することが出来る(第1図)。またそれらの組合せから,各種の発生状況ひいては合計の被害程度も或程度は推測拭来るわけである(第2図)。このようなねらいで,計算作図を行った結果をここに要示したが,前者(第1図)は実際の場合にかなりよく符合し,後者(第2図)においてもかなりの程度に適合することを認めた。本研究は方法その他で不備の点も多く,細部については更に検討すべき所が多いが,以上を通覧してこのような方法で多発区を想定することは,相当利用性があるものと考える。なおこれは,1県内部の小地域の区分設定にも適用され得ると考えたい。
- 千葉大学の論文
- 1953-03-01
著者
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