浸透殺虫剤の検定法について(1) : 浸透殺虫剤に関する研究 XII
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概要
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ある薬剤が浸透殺虫剤というに値するか否かを検討するには,種々の方法が考えられているが,筆者等は各種施用法における効果の相違に着目して次のような方法を考えた.それは普通散布の時の効果に対比して塗布または濃厚液少量散布の時の効果を検討しようとするものであるが,便宜上改良メタシストックスを浸透殺虫剤の標準薬剤とみなすならば,次式のIp, Icはその薬剤の効果発現型に関して改良メタシストックスに類似しているか否かを指示し,ひいては浸透殺虫剤としての適格性を表わすものと解釈できる.Ip=p/s×(Sm)/(Pm)(塗布効果係数)Ic=c/s×(Sm)/(Cm)(濃少効果係数)ただし,s, p, cはそれぞれサンプル薬剤の散布・塗布・濃厚液少量散布における効果をあらわし,Sm, Pm, Cmは改良メタシストックスのそれを表わすものとする.このIp, Icの値が1に近いほど,効果発現型(効果の大小とは違う)において改良メタシストックスに近いと認められるが,厳密な検定法としてはIpを採るべきである.しかしIcもこうした性格比較には利用し得るといえよう. Ip, Icの値を求めてみると,同一薬剤でも供試材料(植物・害虫)によってかなり変動があるが,将来供試材料や各施用法における薬量比を規定して行うことにすれば,上記方法の精度および利用性はかなり高まると思う.
- 千葉大学の論文
- 1962-12-31
著者
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