浸透殺虫剤Thimetの蔬菜害虫に対する効果 : 浸透殺虫剤に関する研究X
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概要
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Thimetの粉剤(44%)および粒状剤(8%, 2%)について,種子処理および土壌処理のアブラムシ・ハダニ類に対する効果を検討し,またそれに関連ある二,三の基礎的事項を述べた.その結果に基き,我々は本剤の蔬菜に対する利用性を次のように結論した.1.粉剤による種子処理よりも粒状剤による土壌処理の方が種々の点から見て好適である.2.作物についていえば,種子重量に基いて施用量を算出する限り,何れの施用法においてもマメ類のように種子が大きくかつ生育の緩漫なものほど長い残効性が期待され有利である.これと反対の傾向にあるダイコン・ハクサイなどでは,適用性が低い.この残効期間の推定には第2図が役立つ.本剤は毒性が強く,これらの関係から本邦ではまだ実用化が認められていないが,もし将来蔬菜に対する使用が許されるならば,上記の考え方に立脚して推進されることを希望する.
- 千葉大学の論文
- 1960-12-31
著者
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野村 健一
応用昆虫学研究室
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長田 巖
現在 山梨県農業試験場果樹分場
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小林 宏中
現在 神奈川県秦野農業改良普及所
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長田 巖
現在 山梨県農業試験場果樹分場:応用昆虫学研究室
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小林 宏中
現在 神奈川県秦野農業改良普及所:応用昆虫学研究室
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