粒状浸透殺虫剤のformulationに関する二三の考察 : 浸透殺虫剤に関する研究XV

概要

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ジメトエート・エストックスの各粒状剤のformulationの異なるサンプルについて,効果比較試験を行つた.1.ジメトエート粒状剤では,キクヒゲナガアブラムシ(キク)について短期効果の,またネダニ(チューリツプ)について長期効果の試験を行つたが,formulationによる効果差はかなり明瞭である.2.エストツクス粒状剤では,ワタアブラムシ(ナス)について短期効果の,またネダニ(ネギ)について長期効果の実験を行い,上と同様formulationの影響の少くないことを認めた.3.これらの実験からformulationの如何が効果に相当関係することはわかつたが,その要因解析は今次試験からは十分な考察ができなかつた.しかし水溶出率(キヤリヤーの水溶性の有無も合めて)は,かなり重要な意味をもつようである.4.Formulationに関連した施用上の問題にも若干触れたが,特に効果発現の遅速と残効との関係について論じた.一般に,速効的なものは残効が劣る傾向があるので,これをどのように調節するかについての試案を提示した.
千葉大学の論文
1964-12-31