浸透殺虫剤ジスルホトン(ダイシストン^<[○!R]>)の土壌吸着と植物への浸透移行性
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概要
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筆者らは,ジスルホトン(ダイシストン5%粒剤)の土壌処理効果を解析する目的で,同剤の植物体への浸透移行性および地中残留性を各種土壌について比較検討した.実験は,生物検定と化学分析の両方法を並行的に行い,供試土壌には火山灰土(2種),沖積土,洪積土の計4種類を用いたが,特に火山灰土における効果低減現象の解明に意を注いだ.生物検定では,土壌別にキクヒメヒゲナガアブラムシに対する土壌処理効果を鉢植えキクについて検討し,また処理土壌よりの溶出液を用いての殺虫試験なども行った.上記試験に供した鉢植えキクについては,供試植物の地上部,地下部および土壌を化学分析した.火山灰土に植えられたキクでは,薬剤の値物体内への浸透移行が他土壌の場合より明らかに少なく,特に地下部の含有量においては,各土性間の差異が顕著であった.本実験における生物検定・化学分析の結果は概ねよく符合し,火山灰土では他土壌に比較して薬剤成分が土壌に強く吸着され,このため植物体に利用されにくく,従って効果も低下しやすいことが推察された.土壌中における成分残存量と,植物における殺虫効果とは必ずしも比例するものではなく,両者は区別して論議されるべきである.
- 千葉大学の論文
- 1980-03-28
著者
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