薬剤施用とハダニの発育経過,ならびに年齢構成
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概要
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ニセナミハダニをツルナシインゲン(室内),カーネーション(温室内),ナス(野外)に寄生させ,これに4種類の殺ダニ剤を投与したときのステージ別発育経過および年齢構成を調べた.年齢構成の推移によって,その群集の安定性が察知できるようで,その他にも生態学的見地から若干の興味ある知見が得られた.しかし薬剤処理によって,年齢構成のパターンに急変を示した例は,バミドチオン処理区で一部見られたが,全般的には少なかった.また,薬剤の種類あるいは作用性による年齢構成パターンの差異も一般に顕著ではなく,むしろ無処理区のそれに相似的であると認められた.このことから生き残った個体のその後の発育は,おおむね順調であると推察される.薬剤処理の影響,あるいは各薬剤間の作用性を比較検討する上からは,ステージ更新にともなう個体数の変化(比率ではなく絶体値の)を対象とする方がよさそうである.これに関連して,この場合に適用されるべき一つの方法-相対応するステージの密度比較から各発育段階別の発育率を算出する方法-を提示し,かつ,この方法によって得られた結果のいくつかを示した.この方法は,殺ダニ剤の作用性や残効の解析に利用され得るものと考える.
- 千葉大学の論文
- 1976-11-30
著者
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