喫煙者における虚血性心疾患リスクファクターの検討 : 特に血液レオロジー因子の検討
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概要
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喫煙者における虚血性心疾患リスクファクターのうち,特に血液レオロジーに関連する因子を中心に検討する目的で,男子人間ドック受診者6,390名(平均45.3歳)を非喫煙群(N群),喫煙本数1日20本以下のLS群,21本以上のHS群の3群に分け,呼吸機能,赤血球数,全血粘度を規定するヘマトクリット(HT),赤血球変形能に関係する平均赤血球容積(MCV),などを測定した。喫煙群では,呼吸機能の低下が30歳台からみられた。高年齢群ではHTは低下,MCVは上昇した。HT, MCVは,喫煙群が全ての年齢群でN群よりも高かった。HS群は,LS群よりさらに高値であった。赤血球数は,3群間で著明な差はなかった。肥満喫煙者では,HTが非肥満喫煙者より高かった。以上から,喫煙者では,呼吸機能の低下による組織低酸素があり,動脈硬化のある年齢群でもHTの低下が少なく,全血粘度の亢進が示唆される。この変化は,肥満喫煙者では一層著明であり,虚血性心疾患の重要な危険因子として注目すべきであると考える。
- 日本保険医学会の論文
- 1988-12-20
著者
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内村 功
東京医科歯科大学医学部内分泌・代謝内科学分野
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前沢 秀憲
川口工業総合病院内科
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前沢 秀憲
東京医科歯科大学第三内科
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内村 功
東京医科歯科大学第三内科
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内村 功
東京医科歯科大学 医歯学総合大学院 体内分子制御学(内分泌代謝内科)
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渡辺 孝之
明治生命保険相互会社
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渡辺 孝之
明治生命保険相互会社医務部
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比田勝 一彦
明治生命新宿健診センター
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前沢 秀憲
東京医科歯科大学医学部第三内科
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前沢 秀憲
東京医科歯科大学
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