常習喫煙者におけるヘモグロビンA_<1c>について
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概要
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ヘモグロビンA_<1c>(HbA_<1c>)は近年,生命保険加入時診査において糖尿病や耐糖能異常のスクリーニング検査として用いられているが,血糖値以外の因子の関与が示唆されている。我々は,その一つとして喫煙を取り上げHbA_<1c>に与える影響を空腹時血糖(FBS)110mg/dl以下の常習喫煙者群475人,非喫煙対照者群479人について検討した。両群のFBSと肥満度には有意差を認めなかったが,HbA_<1c>は一日21本以上の喫煙群が対照群より有意に高く30歳代5.86±0.41対5.73±0.41,40歳代6.03±0.40対5.84±.037,50歳代6.14±0.39対5.96±0.44%(P<0.05)であった。喫煙者群では,平均赤血球容積ならびに平均赤血球血色素量の上昇が見られたが,HbA_<1c>との相関はなかった。このことより,喫煙者におけるHbA_<1c>上昇の機序は明らかではないが,HbA_<1c>を糖尿病や耐糖能障害のスクリーニング検査として用いる場合,喫煙の影響を考慮すべきと考えられた。
- 日本保険医学会の論文
- 1989-12-15
著者
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