31. 動脈壁Cyclic Nucleotidesに関する研究 : -III-Cyclic GMPの超微量測定について

概要

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Cyclic GMPは(CAMP)と共に細胞の生理機能代謝の面で中枢の位置を占めており生体機能を知るためにはその動態の追求は極めて重要である。しかしながらCGMPの情報は極度に不足している。なぜならCGMPのレベルはCAMPに比し更に低いところにありその微量の正確な測定はほとんど不可能であったからである。最近我々はCGMPをサクシニル化することにより, 動脈の内膜40〜100μg程度のごく微量の材料にてCGMP, CAMPを同時に測定できる方法に成功したので報告する。40〜100μg D.W.の極微量の動脈壁をTCAにで除蛋白後, 凍結乾燥, サクシニル化を行った後, アルミナカラムにて分析した。この方法により, 0.4Nギ酸3mlにサクシニルCAMP, 3Nギ酸4mlにサリクシニルCGMPを溶出させ凍結乾燥した後, YAMASAのキットによるRIA法を一部改良して測定した。本法による回収率は, CAMP71.9±0.6, CGMP74.1±0.9%で変動係数値はそれぞれ28及び39%の成績が得られた。又, 牛, 豚, 羊, 兎のCGMP値は内膜で250±50, 126±8, 280±20, 250±50fmole/mg D.W.で中膜は173±3, 176±24, 146±14, 173±50fmole/mg D.W.であった。なお, 牛, 羊, 兎で両者間に5%の有意が認められ内膜のCGMPが高濃度で含有されていることが注目される。
日本組織細胞化学会の論文
1977-10-20