52. 動脈壁Cyclic nucleotidesに関する研究(V) : 動脈壁cGMP・PDEの微量酵素測定法について

概要

論文の詳細を見る
動脈硬化の成因, 進行に関し血管壁代謝の重要性が注目されている。我々は特に内膜の重要性に着目し各種解糖系, TCA Cycle系の酵素活性Cyclic nucleotide代謝の面からcAMP, cAMPPDEの微量定量法を開発し報告してきた。今回はcGMPの微量定量法に続き, cGMPPDE活性の微量定量法を確立したのでここに報告する。各種動物の大動脈を取り, 前回報告したLowryの微量酵素定量法を改良した方法で行った。即ち20〜30mmの凍結乾燥切片より内膜, 中膜を200〜300μg採取, Tris・HCl Bufferでhomogenate後, homogenate溶液20μgに8-^3HcGMP, cGMP, Snake venom, MgCl_2のReagent mixtureで10分間incubateした。ついでThin Layer Chromatography (Brinkmann社製)にて, guanosin, cG-MPの分画に分けシンチレーターを使ってcount測定した。更にIncubationの諸条件を検討しMichaelis定数を求めてみると血管壁cGMPPDEのMichaelis定数はhigh Km=8.06×10^<-6> low Km=46.73×10^<-6>の2つが得られた。又, 正常家兎大動脈壁の内膜, 中膜の活性値は, 各々43.08±4.11, 66.51±4.60pmoles/mg protein/min. の値が得られた。
日本組織細胞化学会の論文
1978-11-01