中枢性及び末梢性ノルアドレナリン活動と加齢の関係 : 脳卒中患者における検討
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概要
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健常者37例及び脳卒中急性期及び亜急性期の患者105例を対象に血漿noradrenaline (NA)と血漿3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol(MHPG)を測定し,加齢とnoradrenergic systemの機能との関係についてを検討した。健常者の血漿NAは212±64pg/ml,血漿MHPGは4.4±1.8ng/mlであり,血漿NAと血漿MHPGは加齢に伴い有意な増加が認められた(いずれもp<0.01)。脳卒中患者では,いずれの病型でも急性期には血漿NA及び血漿MHPGは上昇を示し,年齢との間に相関は認められなかった。しかし亜急性期では,脳塞栓症を除き血漿NA及び血漿MHPGと年齢の間に有意な正の相関が認められた(いずれもp<0.05)。以上,健常者の血漿NAとMHPGに認められた加齢の影響は,脳卒中急性期には消失し,病型により差異はあるが発症後の時間的経過に伴い再び認められた。急性期では,脳卒中自体の影響による血漿NAとMHPGの変動が大きく,加齢の影響が消失するものと思われた。
- 北里大学の論文
- 1993-12-31
著者
-
神田 直
北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
-
玉井 伸明
内科
-
神田 直
北里大 医療衛生
-
東 邦彦
北里大学医学部・内科学
-
玉井 伸明
北里大学医学部・内科学
-
神田 直
北里大学医学部・内科学
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