ラットにおける脳虚血時のモノアミン放出についての研究
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概要
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雄のWistar Rat 12匹の尾状核にカーボンファイバー電極を挿入しin vivo voltammetryにより3,4-dihydroxy phenyl acetic acid (DOPAC)を半定量的に測定し,脳虚血時の変化を経時的に観測した。虚血はPulsinelli法により両側総額動脈と椎骨動脈の4動脈を閉塞して作成した。両側総頸動脈を20分間閉塞後,30分間解放し,再度閉塞した。7匹においては虚血開始15〜30分前にnicardipine 100 μg/kgを腹腔内に投与した。4動脈閉塞後5分でDOPAC濃度は前値の3.6±1.7倍まで増加し,高値を持続した。再潅流後DOPACは速やかに閉塞前値にまで減少し,再閉塞後再び大幅に増加した。脳虚血時のDOPAC濃度の増加はdopamineの異常放出の結果によるものと考えた。再灌流後DOPACが速やかに低下したのは,dopamine放出の停止と血流によるdopamineの洗い出しによると考えられた。nicardipineを投与後も虚血によるDOPACの上昇は,同程度であり,有意な差を認めなかった。
- 北里大学の論文
- 1989-12-31
著者
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