脳循環の自己調節能障害における血漿カテコールアミンの研究
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概要
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脳循環の自己調節(autoregulation)における自律神経系の関与について観察した。対象はShy-Drager症候群患者6例,パーキンソン病患者6例,脳血管障害患者24例(急性期例15例,亜急性期例9例),対照患者10例である。方法は安静臥床時と30°頭部挙上時の血漿カテコールアミン(CA)と脳血流量の変化率を測定した。1) Shy-Drager症候群患者の安静時血漿CA値は対照患者に比べて低く,頭部挙上に伴い脳血流量は23±8%減少し,また血漿CAの反応も低かった。2)急性期脳血管障害患者の安静時血漿CA値は対照患者に比べて高く,頭部挙上に伴い脳血流量は10±3%の減少を認め,血漿CAの反応も低かった。3)頭部挙上に伴い脳血流量の減少が認められた例では,血漿NEの増加率は小さい例が多かった。脳循環の自己調節が障害されている例では体位変換に伴う血漿NEの反応が悪く,交感神経系の異常を示すものが多かった。このことから脳循環の自己調節に神経性因子が関与していることが示唆される。
- 1980-12-31
著者
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