心房細動に伴う脳塞栓症についての臨床的検討

概要

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非リウマチ性心房細動に合併した脳塞栓症連続110例について臨床的に検討した。平均年齢は男性67.3±12.6歳(n=71),女性74.9±7.4歳(n=39)と高かった。合併症として高血圧55例(50%),糖尿病18例(16%)を認め,両者の合併は11例(10%)あった。梗塞部位は頸動脈系が85%,椎骨脳底動脈系は15%であり,脳葉の70%以上を占める大梗塞が48例(43%)と多かった。心房細動の指摘は,36例(33%)は入院時が初めてであり,20例(18%)は発作性心房細動(PAF)であり,PAFあるいは心房細動発現の時期は脳塞栓症発症の危険性が高いことが示された。また心房細動の持続時期が短い例では予後不良例が多かった。発症後1か月の死亡率は18%であり,車椅子移動・寝たきり・死亡を合わせると53%に達し,脳血栓症と比べ予後不良例が有意に多かった(p<0.01)。再発19例の再発までの期間は1年未満が53%と多く,また再発によりADLの悪化が明らかであった。
北里大学の論文
1993-12-31