変性性神経疾患患者における微量元素・ビタミン欠乏について : 特に銅・ビタミンA欠乏を中心に
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概要
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パーキンソン病,脊髄小脳変性症,運動ニューロン病などの変性性神経疾患患者では,長期経過に伴い非経口的栄養療法が患者生命維持のため不可欠となる場合が少なくない。近年,栄養学の進歩により患者の予後は著しい改善を認めたが,以前では生じ得なかった微量元素やビタミン欠乏による多彩な症状が散見されている。今回,我々は長期経過を有する神経内科患者を非経口摂取群と経口摂取群に分け,血清鉄,微量元素として血清中の銅,燐,亜鉛,マグネシウム,マンガン,クロムおよびビタミンAを測定し比較検討した。その結果,非経口摂取群で鉄欠乏が約70%,微量元素では亜鉛欠乏が76%と最多で,続いて燐,銅欠乏の順で,いずれも経口群と比較し有意に低下していた。さらに近年,銅欠乏に伴う血液学的異常が注目されているが,貧血患者の約半数にビタミンA欠乏を認め,ビタミンA欠乏でも同様に二次的鉄代謝障害により貧血が生じる可能性が示唆された。長期非経口的栄養管理患者では,必要カロリーのみならず微量元素やビタミン類の含有量にも充分注意し,定期的な測定評価が必要である。
- 北里大学の論文
- 2002-04-30
著者
-
坂井 文彦
北里大学医学部神経内科学
-
荻野 美恵子
北里大学神経内科
-
荻野 美恵子
北里大学医学部神経内科学
-
齋藤 豊和
北里大学医療衛生学部リハビリテーション科
-
斎藤 豊和
北里大学 内科
-
斎藤 豊和
北里大学医学部・内科学
-
楠 淳一
北里大学医学部6年
-
楠 淳一
北里大学医学部附属東病院 神経内科
-
斉藤 豊和
内科学
-
坂井 文彦
北里大学東病院神経内科
-
坂井 文彦
東芝林間病院神経内科
-
坂井 文彦
北里大学医学部
-
坂井 文彦
北里大学 医療衛生
-
楠 淳一
北里大学東病院神経内科
-
前田 忠伸
北里大学東病院・臨床検査部
-
坂井 文彦
北里大 医 神経内科学
-
荻野 美恵子
北里大学医学部附属東病院 リハビリテーション部
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