脳梗塞急性期における髄液3-methoxy-4-hydroxy-phenylethyleneglycolの変動
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概要
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脳梗塞急性期患者37例を対象に髄液3-methoxy-4-hydroxy-phenylethyleneglycol(MHPG)を測定し,その変動を観察した。発症7日以内の急性期髄液MHPGの平均値は10.9±0.6ng/mlであり,対照(7.9±0.6ng/ml)に比べて有意に高値を示した(p<0.005).髄液MHPGおよびcorrected MHPGの個々の例の経時的変動についてみると,ともに亜急性期(発症後15〜30日)に有意な減少を認めた。脳塞栓症は脳血栓症に比し,皮質枝領域梗塞は穿通枝領域梗塞に比し有意に高値を示し,さらに大梗塞,入院時意識障害を伴う例,退院時ADLの悪い例では有意に高かった。また髄液MHPGと動脈血MHPGとの関係についてみると,急性期,亜急性期ともに両者の間に有意な正の相関を認めた。以上,脳梗塞急性期に脳内においてノルアドレナリンの放出があり,それが髄液MHPGの上昇をもたらしたと考えられた。このことより脳梗塞急性期には交感神経系のみならず中枢神経系ノルアドレナリン系の異常興奮を伴う可能性が示唆された。
- 北里大学の論文
- 1990-10-31
著者
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