癌化学療法におけるNedaplatinの使用経験 : FC療法におけるNedaplatinとCisplatinの抗腫瘍効果および副作用の比較
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概要
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われわれの施設では, 1995年より現在まで5-fluorouracil(5-Fu : 600mg/m^2/day)およびcisplatin(CDDP : 80mg/m^2/day)によるFC療法を中心にneo-ajduvant chemotherapyを施行してきた。今回, CDDPより腎毒性が弱く, 大量の水分負荷を必要としないNedaplatin(CDGP : 80mg/m^2/day)を使用してFC療法を施行した症例を経験したので, 従来のCDDPと5-FuによるFC療法と比較し, その抗腫瘍効果および副作用について報告する。対象は, CDGPと5-Fuを用いて施行した12例(CDGP群), CDDPと5-Fuを用いて施行した15例(CDDP群)の27例である。27例中の25例が術前化学療法として, 残り2例が術後化学療法として施行した。年齢は, 42歳から78歳で, 平均年齢は60.4歳であった。症例の内訳は, CDGP群が男性6例, 女性6例であり, CDDP群が男性11例, 女性4例であった。原発巣の部位別では, CDGP群は舌5例, 頬粘膜2例, 口底1例, 上顎歯肉2例, 下顎歯肉2例, CDDP群は舌7例, 頬粘膜1例, 口底2例, 下顎歯肉5例であった。副作用の消化器症状に対して制吐剤やステロイド等の併用療法を施行し, また口内炎に対してはエレース含嗽剤を使用した。術前化学療法として施行した25症例に対する抗腫瘍効果の判定では, CDGP群は, NC 1例, MR 4例, PR 5例で奏効率は50%であり, 一方CDDP群は, MR 7例, PR 8例で奏効率は53%であった。全27症例における副作用の発現に関しては, 白血球減少がCDGP群で5例(41.7%), CDDP群で2例(13.3%)であった。腎機能に関しては, 両群において異常値は全く認めなかった。また臨床症状としては, 悪心・嘔吐, 食欲不振, 下痢などを認め, CDGP群の方がCDDP群よりやや多く認められた。これらの副作用の程度は, CDDP群の1例においてGrade 3の白血球減少を認めた以外はすべてGrade 1であった。CDGPの至適投与量については, 100mg/m^2が適当であると考えられているが, 今回のわれわれの症例では, 5-Fuとの併用療法により副作用としての血液毒性が増強する可能性を考慮してCDGPの投与量を80mg/m^2として施行したが差は認めなかった。副作用の発現については, ほぼ同様か, 症状の程度は軽度であった。今後, CDGPの投与量を100mg/m^2とすることにより, さらに抗腫瘍効果を期待することができると思われた。
- 東北大学の論文
- 2003-12-30
著者
-
越後 成志
東北大学大学院歯学研究科 口腔病態外科学講座 口腔外科学分野
-
越後 成志
東北大学 大学院歯学研究科口腔病態外科学講座口腔外科学分野
-
越後 成志
東北大学大学院歯学研究科口腔病態外科学講座口腔外科学分野
-
井筒 崇司
東北大学大学院歯学研究科口腔病態外科学講座口腔外科学分野
-
岡田 みわ
東北大学大学院歯学研究科口腔病態外科学講座口腔外科学分野
-
君塚 哲
東北大学大学院歯学研究科口腔病態外科学講座口腔外科学分野
-
高橋 正任
東北大学大学院歯学研究科口腔病態外科学講座口腔外科学分野
-
伊藤 正健
みやぎ県南中核病院歯科口腔外科
-
伊藤 正健
東北大学大学院歯学研究科 口腔病態外科学講座 口腔外科学分野
-
岡田 みわ
東北大学 大学院歯学研究科口腔病態外科学講座口腔外科学分野
-
君塚 哲
東北大学大学院歯学研究科 口腔病態外科学講座
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