遅延分割型負荷分散フレームワークの試験実装

概要

論文の詳細を見る
本発表では, 逐次プログラムに遅延分割, 結果の結合の機能を加えたものを並列実行するための遅延分割型負荷分散フレームワークについて述べる.遅延分割とは, 要求が生じた時点でタスクを分割するということであり, スレッド生成なども事前には行わず, 通常は逐次プログラムとして動作することで, 低い並列化オーバヘッドを実現できる.各ノードではノード内のタスクを管理し, 他のノードとタスクなどをやりとりするための通信/スレッドライブラリを用いる.各ノードは, 拠点サーバに接続して, 拠点サーバを介して他のノードと通信を行う.また, 担当しているタスクが終了したり, 他のノードのタスクの結果を待って一時中断したりする場合は, ノード内でタスクを分割して融通したり, 他のノードに要求を出し, 新たなタスクを得ようとしたりする.要求を受けたノードは自分の処理中のタスクの一部を2つに分割し, 片方を要求元へ送ってから, 残りを自分で継続して処理する.このとき, できるだけ呼び出し元にさかのぼってのタスクの分割を実現するため, 入れ子関数を利用した.逐次プログラムへ遅延分割, 結果の結合機能を加える際の労力は, 変換器を利用することで軽減する予定である.本研究は, 共有メモリや分散システム等の多様な環境での動作を目指している.このフレームワークを試験的に実装した結果, 各ノードに分割・結合時の通信コストと比較して十分な仕事量があれば, 分散環境でも良好な台数効果が得られることが確認できた.
一般社団法人情報処理学会の論文
2006-02-15

遅延分割型負荷分散フレームワークの試験実装

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク