動的スコープの利用による並列言語の同期・例外処理の階層的構造化

概要

論文の詳細を見る
実用的な並列処理のための高水準な並列言語には, 不規則な計算や副作用を含む実用的な並列プログラムを簡潔に誤りなく記述でき, また, 並列計算機上で効率良く実行可能であることが要求される. 並列言語の記述性を向上させるには, プログラムを簡潔に記述できること, 様々なタイプの並列処理や例外処理に対応した記述ができること, そして逐次言語におけるgoto文の使用制限に対応するようなバグを防止するための制限といったことが重要になる. 本論文では, 比較的少数の言語コンストラクトを用いて様々なタイプの並列処理を簡潔に誤りなく記述するためには, 動的スコープの利用により同期処理・例外処理を階層的に構造化した並列言語が有効であることを示す. 提案方式では, 構造化された同期処理・例外処理は個々の操作ではなく構文により記述される. 構造化された構文を用いた言語では, 並列プログラム実行中の実行状況をユーザが把握しやすく, また並列処理中の例外を自然に処理できる. また, 同期処理が操作により記述される従来の場合と比べて, 記述量やそれに伴うバグ混入の可能性が削減される. 本論文では, 提案する言語の設計とその有効性を示すとともに, 言語のセマンティクスと実装上望まれる工夫について述べる.
1999-05-15

動的スコープの利用による並列言語の同期・例外処理の階層的構造化

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク