矯正治療終了後の咬合と顔貌に対する患者の評価
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概要
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矯正治療後の咬合と顔貌に対する患者の評価を解析するため, アンケートによる追跡調査を行った.対象は, 鹿児島大学歯学部附属病院矯正科において矯正治療を終えた患者のうち, 回答を得た169名(男39名, 女130名)である.咬合に関して「満足」50.9%, 「まあまあ」41.4%, 「不満足」4.1%, 顔貌に関して「満足」45.0%, 「まあまあ」32.0%, 「不満足」14.2%であった.「まあまあ」と「不満足」を合わせて不満足群とし, 「満足」と回答した満足群と対比して回答者の性別, 年齢, 咬合の分類, 口唇口蓋裂(以後CLP)の有無, 治療内容ならびに治療中・後の感想に関するアンケートの回答との関連を解析した.咬合の満足群(Os群)では, 不満足群(Od群)に比べて調査時年齢が低く, 下顎前突およびCLPが多かった.顔貌の満足群(Fs群)では, 不満足群(Fd群)に比べて調査時年齢が低く, CLPが少なく, 顎外装置およびマルチブラケット(以後MB)装置を使用した者が少なく, MB装着期間が短かった.アンケートの回答でOs群およびFs群で多かったのは「矯正治療を受けて良かった」であった.逆にOd群およびFd群で多かったのは「担当医の説明が不十分」, 「会話に不便を感じる」, 「後戻りの不安」, 「矯正装置は目立った」であった.以上から, 治療後の咬合と顔貌の評価には, 回答者の調査時年齢, 咬合の分類, CLPの有無, 治療内容, および治療中の担当医の説明や治療に対する不安・不快感などが関与することが示唆された.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
-
伊藤 学而
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
小椋 幹記
鹿児島大学医学部・歯学部附属病院矯正歯科
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小椋 幹記
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
庄村 兼治
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
伊藤 学而
鹿児島大学 歯 歯科矯正
-
伊藤 学而
日本矯正歯科学会
-
Rosales Vincent
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
飯野 祥一朗
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
庄村 兼治
アポロ矯正歯科
-
木佐貫 聡
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
飯野 祥一朗
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科歯科矯正学分野
-
伊藤 学而
鹿児島大学
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