正常嚥下者と舌突出型嚥下者における舌背の上下運動の超音波解析

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超音波診断装置を用いた解析法を検討するため, 女性の正常嚥下者15名(NS群)と舌突出型嚥下者10名(TT群)にジュース5mlを嚥下させ, 下顎両側第一大臼歯を通る前頭断面の舌背の上下運動をMモード画面で撮影した.上下運動を上昇相, 接触相および下降相に分け, それぞれをタイプ分けし, 上昇距離, 時間および速度等を計測した.1. タイプ分けによれば, 上昇相には舌背がただちに上昇するダイレクト型と一旦沈み込んでから上昇するバウンド型の2つがあり, 前者にはNS群の9名, 後者にはNS群の6名とTT群の10名が含まれていた.接触相には, 長プラトー型, 短プラトー型, 非プラトー型の3つがあり, 長プラトー型にはNS群の6名, 短プラトー型にはNS群の3名とTT群の5名, 非プラトー型にはNS群の6名とTT群の5名が含まれていた.しかし, 下降相ではどの被検者もただちに下降して, タイプ分けができなかった.2. 計測値によれば, 舌背の上昇距離はTT群がNS群より, バウンド型がダイレクト型より有意に大きかった.また, 接触時間は接触相の3つの型の間で有意差があった.3. タイプ分けあるいは計測値で有意差のあった上昇距離と接触時間の2項目で散布図を描くと, 各被検者は上昇距離では分かれないが接触時間では3つのグループに分かれ, しかも各グループは長プラトー型, 短プラトー型, 非プラトー型に対応していた.4. 以上から, 舌背が上昇して口蓋と接触する接触相の型ないしは接触時間が, 嚥下時の舌機能評価に有効な指標となることが示唆された.

正常嚥下者と舌突出型嚥下者における舌背の上下運動の超音波解析

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