矯正治療経験者の咬合と顔貌に対する評価とPAR indexならびに頭部X線規格写真分析による評価の比較
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概要
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本研究は, 矯正治療後の咬合や顔貌に対する患者自身による, 治療結果の自己評価(以下, 患者評価と略す)が, 咬合のPeer Assessment Rating (PAR) indexや頭部X線規格写真分析による数値評価とどの様に対応するかを調べることを目的とした.対象は, 矯正治療後の追跡アンケート調査の回答者のうち, 外科矯正症例や唇顎口蓋裂症例を除いて, マルチブラケット(MB)治療と保定後の経過観察を6か月以上行って検査資料が解析できた41名である.追跡アンケート調査における咬合と顔貌に対する患者評価と初診時の咬合分類, 治療内容, 治療期間, ならびにMB治療開始時(T1), MB治療終了時(T2), 保定後の最終検査時(T3)のPAR indexと保定後の最終検査時(T3)の頭部X線規格写真の分析値との関連を比較した.咬合に対する患者評価は, 満足群23名(56%), まあまあ群14名(34%), 不満足群4名(10%), 顔貌に対する患者評価は満足群22名(54%), まあまあ群14名(34%), 不満足群5名(12%)であった.咬合に対する患者評価では, まあまあ群と不満足群でT2からT3の間にPAR indexが大きく増加し, 特に前歯部接触点の偏位, 側方歯部の対咬関係の点数が増加して後戻りが大きかった.顔貌に対する患者評価では, 不満足群で初診時の咬合が下顎前突でチンキャップの使用経験者が多く, T3のANBも他の2群に比べて有意に小さく下顎の前突感が残っていた.以上から, 咬合に「不満足」を表した患者は10%であり, 治療後に前歯部叢生と側方歯部の対咬関係の後戻りが認められた.また, 顔貌に「不満足」を表わした患者は12%であり, 治療後に下顎の前突感が残っていた.
- 2005-06-25
著者
-
伊藤 学而
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
大牟禮 治人
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科歯科矯正学分野
-
黒江 和斗
鹿児島大学病院スポーツ歯科外来矯正歯科
-
庄村 兼治
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
大牟禮 治人
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科健康科学専攻発生発達成育学講座顎顔面育成学分野
-
伊藤 学而
鹿児島大学 歯 歯科矯正
-
伊藤 学而
日本矯正歯科学会
-
友成 博
鹿児島大学附属病院発達系歯科センター矯正歯科
-
庄村 兼治
アポロ矯正歯科
-
黒江 和斗
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
黒江 和斗
鹿児島大学
-
伊藤 学而
鹿児島大学
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