小下顎症を伴った顔面非対称の 1 例における下顎骨延長術と後戻り
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概要
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下顎骨の骨延長術(distraction osteogenesis;以後DOG)は小下顎症に対する治療法の1つとして用いられているが, その後戻りについては明らかでない.本研究では, 片側下顎骨体にDOGを適用した小下顎症を伴った顔面非対称の1例について術後4年間の後戻りの経過を報告する.症例は初診時 女で, 主訴はオトガイの右偏と後退であった. に右側顎関節強直症に対して授動術を受けていた.下顎骨の成長促進を目的に, までFKOとJasper Jumperを使用したが改善されなかった. , 片側下顎骨体にDOGを適応することとし, 右側下顎角部に骨切りを行い, 下顎骨体に平行に延長器を装着した.術後11日目より36日間延長を行った.右側下顎骨体は16.7mm延長され, オトガイは前方へ11.3mm, 正中へ13.0mm移動した.また, 下顎体は左側下顎頭を支点として左方へ回転したため, 右側臼歯部は開咬となった.延長終了6カ月後には右側下顎骨体長は1.2mm(7.2%)減少し, オトガイは右方へ1.9mm(14.6%)後戻りしていた.延長終了4年後では, 右側下顎骨体長は1.7mm(10.2%)減少し, 下顎体は左側下顎頭を支点として右方へ回転していたため, オトガイは右方へ2mm(15.4%)後戻りし, 顔面非対称はわずかに再発したが, オトガイの前後的位置は安定していた.以上から, 下顎骨体の片側性の延長による下顎体の左方回転が, 早期に下顎体の右方回転と下顎骨体長の後戻りを生じさせた可能性が示唆された.
著者
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伊藤 学而
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
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黒江 和斗
鹿児島大学病院スポーツ歯科外来矯正歯科
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庄村 兼治
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
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伊藤 学而
鹿児島大学 歯 歯科矯正
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伊藤 学而
日本矯正歯科学会
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庄村 兼治
アポロ矯正歯科
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四元 みか
島田歯科・矯正歯科
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北村 由恵
田中矯正歯科医院
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黒江 和斗
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
黒江 和斗
鹿児島大学
-
伊藤 学而
鹿児島大学
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