思春期性成長期にチンキャップを用いて矯正治療を行った骨格性反対咬合者の実態調査 : 側貌の変化と顔面骨格形態の関連について
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概要
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本研究では, 思春期性成長期にチンキャップを用いて矯正治療を行った骨格性反対咬合について調査し, その治療前後の側貌と顔面骨格形態の関連を明らかにすることを目的とした.対象は, 思春期性成長期にチンキャップを用いた骨格性反対咬合の女子35名である.初診時と成長終了時の側貌をconcave, straight, convexに分類し, その変化と矯正治療および顔面骨格形態を比較した.初診時がconcaveの者22名は, 成長終了時もconcaveであった者(CC群)が12名, straightに改善した者(CS群)が10名であった.初診時がstraightの者13名は, 成長終了時もstraight(SS群)であった.矯正治療の内容は各群で大きな特徴は認められなかった.CS群とSS群では, 成長終了時にGonial angleが狭小化して下顎枝が後方回転していたが, ∠MP-FHと∠SNBには変化がなかったことから, 下顎骨の形態が変化していた.CC群の初診時と成長終了時の∠NSCdは他の2群に比べ有意に小さく, 下顎骨は頭蓋底に対して前方に位置していた.下顎骨の大きさは3群間に有意差はなかったが, CC群の上顎骨前後径は他の2群に比べ有意に小さかったことから, CC群は初診時から重症度の高い骨格性反対咬合であった.以上のことから, 思春期性成長期にチンキャップを用いて矯正治療を行った骨格性反対咬合の側貌の変化は, 下顎骨の形態変化と上顎骨の前後径, 下顎頭の前後的な位置に関連していると考えられた.
著者
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伊藤 学而
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
黒江 和斗
鹿児島大学病院スポーツ歯科外来矯正歯科
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伊藤 学而
鹿児島大学 歯 歯科矯正
-
伊藤 学而
日本矯正歯科学会
-
河野 賢二
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
飯野 祥一朗
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
黒江 和斗
鹿児島大学歯学部歯科矯正学講座
-
黒江 和斗
鹿児島大学
-
飯野 祥一朗
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科歯科矯正学分野
-
伊藤 学而
鹿児島大学
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