オクルーザルスプリントと肘関節屈曲筋群の等尺性筋力との関連

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本研究では, スプリント装着が叢生者の肘関節屈曲筋群の等尺性筋力に及ぼす影響を検討した.対象は正常咬合者13名(N群), 叢生者15名(C群)である.対合歯と接触している歯数(咬合接触歯数)は, C群がN群に比べて有意に少なかった.スプリントとして, 全歯接触型のオクルーザルスプリントと, その咬合面部を切除したプラセボスプリントを用いた.スプリント非装着(NS), プラセボスプリント装着(PS), オクルーザルスプリント装着(OS)の3条件下で肘関節屈曲筋の等尺性筋力を測定した.NSの測定値に対するPSおよびOSの測定値の増大量と増大率を算出し, 測定値, 増大量および増大率を測定条件間で比較した.また, 全被検者について, 筋力の増大と咬合接触歯数との相関係数を求めた.平均筋力, 最大筋力ともに, N群では, OSがNSに比べて有意に大きかったが, NSとPS, PSとOSには有意差がなかった.一方, C群では, NSとPSには有意差がなかったが, OSはNSおよびPSに比べて有意に大きかった.N群の平均筋力と最大筋力にはPSによる増大とOSによる増大に有意差がなかったが, C群の平均筋力はPSによる増大に比べてOSによる増大が増大量でも増大率でも有意に大きく, 最大筋力でも増大率が有意に大きかった.OSによる平均筋力の増大量, 増大率と咬合接触歯数の相関係数はそれぞれ-0.41, -0.40でともに有意であった.以上から, 叢生者ではオクルーザルスプリント装着により肘関節屈曲筋群の等尺性筋力は増大するが, 咬合力が多くの歯に分散するためと考えられた.

オクルーザルスプリントと肘関節屈曲筋群の等尺性筋力との関連

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