乳歯う蝕早期予防事業の成果 : 1歳6ヵ月児による評価

概要

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新潟県の1つの町において1歳未満児(9〜10ヵ月児)から行った乳歯う蝕早期予防事業の評価を行った。調査対象者は1991年度から1993年度までの1歳6ヵ月児健診受診者230人である。主な事業内容は,フッ化物歯面塗布法,および歯口清掃を中心とする口腔衛生指導である。事業では,う蝕リスクの高い幼児を選出する基準を便宜的に設定した。調査対象者は,そこで判断されたう蝕リスクの状況により,1歳6ヵ月健診まで2回から最大4回事業を受診した。その結果,事業開始前の1991年度と事業開始から1年後の1993年度とを比較すると,う蝕有病率は1991年に22.9%であったものが1993年には8.0%に,1人平均dmftは1991年に0.77であったものが1993年には0.28に減少した(う蝕有病率:D<0.01,平均dmft:p<0.05)。フッ化物歯面塗布法の経験回数の増加,およびほ乳瓶の使用状況や仕上げ磨きの実施状況など口腔衛生行動の変容がう蝕減少にかかわっていると考察した。今回実施した乳歯う蝕早期予防事業は,市町村において実施可能な,効果の期待できる事業として推奨できるものである。
1997-07-30