ある地域ベースの乳歯う蝕予防プログラムに関する評価 : プリシード/プロシードモデルを用いて
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概要
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プリシード/プロシードモデルを用いて,新潟県の人口約1万人の自治体における地域ベースの乳歯う蝕予防プログラムに対する評価を行った。調査の対象期間は,1990年度から1993年度までとした。対象児は生後10カ月から3歳までの幼児357名であった。歯科医師によるう蝕診査の再現性は良好であった。2%酸性フッ化物ゲルと歯ブラシ法によるフッ化物歯面塗布を2ヵ月に1度行った。幼児を対象にフッ化物応用を予防手段とするプログラムを施行する場合,その保護者へのフッ化物に関する正しい知識の提供,関係者のAttitude,プログラムヘの近接性,および簡便な予防手段の導入が重要であることが確認された(プロセス評価)。フッ化物歯面塗布という具体的な予防手段にアクセスできることが,プログラムヘの参加率を増加させた。参加率は,当初50〜70%であったが,その後75〜100%まで上昇した(影響評価)。乳歯う蝕の有病率は,1990年度には80.5%であったが,年度を追うごとに低下し1993年度には48.5%となった。同様に平均dmf歯数は,1990年度には6.26であったが,1993年度には2.04まで下がった。また,プログラムヘの参加回数が多いほど,う蝕予防効果が大きくなる傾向にあることが示された(結果評価)。よって,当プログラムは地域ベースの乳歯う蝕予防プログラムの1つとして実施する価値があるものと評価した。
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 1999-07-30
著者
-
八木 稔
新潟大学歯学部附属病院口蓋裂診療班運営委員会
-
八木 稔
新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔衛生支援学講座
-
八木 稔
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座
-
西田 康文
笹神歯科診療所
-
小林 秀人
小林歯科医院
-
八木 文子
笹神村保健福祉課
-
八木 稔
新潟大学歯学部口腔生命福祉学科
-
西田 康文
新潟県歯科医師会
-
小林 秀人
新潟県歯科医師会
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